at_yasu's blog

ロード的なことを

青晩春

駄文なんで、ほっといてくださいな。


昼過ぎ、学校に行く為に電車に乗る。
普段と変わった事はない。ごく普通の日。
しかしその日は少し違った。


いつものようにいつも乗る場所で、壁にもたれ音楽を聴きながら電車を待つ。
しばらくぼんやりしてると、隣に人がいる事に気がつく。
女性である事はわかったが顔まで見る気はせず、そのまま前に見える駅看板を見る。
電車が着き、降りる人の為にドアの端に体を避ける。ほとんど習慣となっている。
体を避け、首を少し左に向けると隣にいた女性が目に入る。
降りる人の数が、普段より多いようで、いつもみたいにすんなりと電車には乗れなかった。
降りる人はほとんど降りたようで、少し首を左に向けると女性の姿が見えた。
ほとんど女性はドアの正面にたっていたので、先に行くだろうと思い、わたしはぼんやりと突っ立っていた。
そしてそれは勝手な勘違いだとわかり、わたしは先に入った。
先にいる人が、先に入るのは至極当然の事だ。


降りる人は降りたようで、電車の中は予想より空いていた。
入り口付近の席には、男性二人しか座っていない。
適当に空いている場所に座る。
向かい席には隣の女性が座った。
他の場所も空いているのに、と私は戸惑った。
その時初めて気づいたのだが、顔が昔付き合ってくれていた女性に似ているのだ。
風の噂で彼女は就職したと聞いている。もし本当ならば、こんなところで私服でふらついているわけがない。
そうでなくても、彼女の家はこの場所より遠方で、この場所には来る必要なんぞ普段は無い。
しかし向かいに座っている女性は、身長はわからずだが、顔つきは昔付き合ってくれていた女性とそっくりだった。


1駅、2駅と電車は走って行く。各駅停車に乗っているため、全ての駅に止まって行く。
その間、向かいに座っている女性は携帯をいじったり、明後日の方向を見たりしている。
一方わたしはと言うと、目線を合わせず、しかしちらちらと向かいの女性の顔を見る。
まるで不審者だ。
どうしても、顔つきが気になって仕方なかったのだ。
見ているとふと思い出した。
デートで少しばかり遠い場所に連れて行った時の事だ。
少しといっても、電車で1〜2時間ぐらいはかかった。
帰りの電車は、そんなに遅い時間ではないのだが、あたし達が乗っている両は、ほとんど人がいない状態であった。
疲れていたため二人して喋る元気も無く、座ったまま寝てしまった。
たったそれだけの事だが、背中がムズかゆく恥ずかしいのだが、私の中では幸せな時であった。
そんなボケた事を、わたしは向かいの女性の顔を見て思い出していた。


ある駅で旧来の友人が乗って来た。
最近、その友人とはよく電車の中で会う。
家が同じ沿線沿いにあるのだ。
以前あった時からそんなに時間はたってはいないが、喋りたい事は山とあった。
就職の事、就業したものの辞めて来た事、これからの事、共通の趣味の事。
降りる駅までずっと喋っていた。
降りるとき、向かいに座っていた女性は目を瞑り眠っていた。
その寝姿はあの時の彼女と似ていた。


後味悪・・・orz